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01 缶切りの歴史

1810年にピーター・デュラントが発明した缶詰は画期的な食品保存法として普及したものの、
当初はハンマーで叩いて開けたり、銃で撃ち飛ばして開けたりするなど
開ける時は乱暴にならざるを得ず、よって水分を含むものを詰めることが不可能でした。

缶詰の発明からおよそ60年経った1858年、エズラ・J・ワーナーが缶切りを発明します。
缶切りは効率良く力を伝えて最小限の動作で蓋を開けることができるため、
水分の多い物やジュースを入れることも可能になりました。
現在流通している缶詰の多くはイージーオープンエンド式で、缶ジュースがまさにその形です。
非常に便利なこの形式が今では主流となり、
缶切りの需要の減少によって缶切り離れの世代が増えています。


02 「つくる責任 つかう責任」


これまで私たちは天然資源を利用しながら発展してきました。
しかし当然、地球上の資源には限りがあります。
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」は持続可能な生産消費形態を確保することを目的として
一人ひとりが責任をもって生産・消費の方法を変えていく必要があると提示しました。

生産と消費にまつわる問題の中でも、日本のリサイクル率の低さは驚くほどです。
ドイツ、スロベニア、オーストリア、オランダ、ベルギー、リトアニア、ルクセンブルクに
比べると極めて低く、2018年度は7カ国すべてが50%を超えているのに対し、日本は19.9%です。


03 分別の意識をつけること

今回着目したのは、ペットボトルキャップの下についているリングについてです。
ペットボトルを捨てる際にリングは外さなくてよいのか?という疑問から詳しく調べてみると、
「そこまで求めてしまうとリサイクルへの協力が得られにくくなるので...」
という理由からキャップやラベルの分別のみ求められていると知りました。

ですが、本来リサイクルを考えるとリングも外した方が望ましいとされています。
廃棄されたペットボトルを加工し直す。つまり、新たな製品の原料にする際、
その原料には異物が含まれていない必要があります。異物混入は避けることが原則です。
ペットボトルは、ボトル本体がPET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、
キャップがPP(ポリプロプレンなど)、ラベルがPS(ポリスチレンなど)と様々な素材で出来上がっており、
そのまま廃棄しリサイクルしようとすると多くの素材が混ざってしまいます。

ペットボトルを収集した自治体から再生工場へ引き渡す場合、綺麗なペットボトルの方が好まれます。
再生工場に引取ってもらうためには環境省の分別基準を守っている必要がありますが、
要件を完全に満たせるわけではないので、どの程度満たしているかランク付けをしています
そのためリングも本来は外すべきであるというわけなのです。

そこで、てこの力で簡単にリングを外すことができる道具を作りました。